大騒ぎの前夜とは一転、12/23は静かでしっとりした一夜になった。
オープニング・アクトで登場したのは、→Pia-no-jaC←。08年後半、全国各地のヴィレッジバンガードで話題をさらったインスト・デュオだ。編成はピアノのHAYATOとカホーンのHIROのふたり組。バンド名を左から読めばピアノ、右から読むとカホーン(cajon)になっている。1曲目の「組曲」が始まると、客席のあちこちで「あ、これ、知ってる」というささやきが聞こえる。「小フーガ ト短調」であったまってきたところで「クリスマスメドレー」で会場から手拍子が起こると、すっかり→Pia-no-jaC←ペース。5曲のパフォーマンスだったが、その音楽とキャラクターをしっかり印象付けていた。来年の大活躍が約束されたニューカマーの初披露となった。
Jammin' Zebも08年に注目を集めたアーティストのひとつ。 Kojiro、Steve、Lensei、Simonの4人がハーモニーを聴かせる正統派のボーカル・グループだ。
バックバンドのラテンリズムに乗って4人が現れると、ステージは華やいだ雰囲気に。ジャズ・スタンダード「Take The “A” Train」やオリジナル「Dream」、山下達郎の「Christmas Eve」をイングリッシュ・バージョンでカバーする。穏やかだが、しっかりとしたハーモニー・ワールドがガーデンホールを包む。
Jammin' Zebが持ち味を発揮したのは、アカペラだった。ウクライナ民謡をアレンジした「Carol Of The Bells」、バースから彼らならではの美しさが広がった「When You Wish Upon A Star(星に願いを)」、そして観客への最高のプレゼントとなった「We wish You A Merry Christmas」の3曲がステージと客席をぐっと近づける。ラスト・ナンバーはオーストラリア人の母親を持つメンバーのLenseiが作詞した「Peace On Earth」で、歌う前にLensei自身が日本語で一生懸命、歌詞の内容を解説する姿が微笑ましい。会場から起こったハンドクラップが歌の意味とぴったり重なって、みんなが笑顔になった。
続いて黒のドレス姿の古内東子が座ると、漆黒のグランドピアノとあいまって、シックなムードがホールを支配する。さらに彼女の指がカデンツァを奏で始めると、もう会場が東子の世界に染まっていた。今夜はウッドベース大神田智彦とのデュオ・スタイルだ。
「game」を歌い終えて話し始める。「素敵なイヴイヴですね。自分で言うのもなんですが、今日は紅一点、“シミ系”担当です。『明日のイヴもひとりだわ』みたいな人にも優しいライブです(笑)。そんな角度から逆説的にクリスマス気分を盛り上げていこうかな。つい先週までツアーをしてました。今年はアルバムも出て、そのタイトル曲をやってみたいと思います」と、幾度も幾度も恋に落ちる女性を描いた「IN LOVE AGAIN」を歌う。ツアーで歌い込んできたからこその語り口で、古内ならではの切なさが会場を満たしていく。その自信は懐かしいナンバーにも発揮され、3曲目「星空」は名曲の名に恥じない歌となった。
「さっき、ガーデンプレイスに飾られてるバカラのシャンデリアを見てきました。ブログにアップしたので見てくださいね。次の『誰より好きなのに』もまた切ない曲です。結婚式で歌うことも多いんですが、いいのかなと思うんですけど、新郎新婦に頼まれるから」と笑わせる。この曲と「淡い花色」は、ピアノも含めてさすがのパフォーマンスだった。
「どうぞ来年もよろしく。切ない歌ばっかりだったので、最後は帳尻合わせるようで申し訳ないんですけど、隠し玉のクリスマスソングを」とストレートなラブソング「Xmas Present」でちょっとだけ明るく終わった。
アンコールで再びステージに戻ってきた古内は「もう一曲だけ。手拍子くださっても、よろしくってよ。あれ? くださってもよろしくってよ、って、ちょっと変ですね。手拍子、ください」と「Beautiful Days」を歌い、そのままJammin' Zebを呼び戻す。4人も黒のスーツなので「私たち、真っ黒ですね」と笑顔で始まった「The Christmas Song」は、女性としては低音が強い古内とJammin' Zebの相性が抜群で、この夜限りのハーモニーがとても心地良かった。
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